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『復活日』2020年4月12日

【聖書箇所】 ヨハネによる福音書 20章 1節~18節

【説教題】 主イエスと天使とわたしたち

【説教】 石丸泰樹牧師


 2020年の上半期は日本も世界もコロナ・ウィルスによって受難の日々となりました。またすべての国の政治や制度の内容が問われ、それぞれ答えを出さねばならない試みを受けました。

 しかし、今日は復活日です。

一、大嵐や闇夜と思われても、愛の神様の力強い輝きがこの世界全体を包み守っていて下さることを確信する時です。最も大事なときには、守護天使が警(慶)報を鳴らすように、短くメッセージを伝えて下さるのです。クリスマスの時にも、ペトロが牢から救い出された時にも(使行12:15)、そして主のご復活の今日という日にも。恐れから瞬時に、安心と感謝へ導き出されるのです。


二、復活の主は、マグダラのマリアに伝言を託します。「わたしの兄弟たちのところへ行って『私の父であり、あなたがたの父である方のところへ、わたしは上る』と、言いなさい。」

 主イエスが、ご自分の父なる神様を『あなたがたの父』とご復活の力に溢れて明言なさるのは福音書では、ここにだけ記されている最も大切な「伝道のことば」です。

不肖の私たちは主イエスの兄弟とされることによって、父なる神の子とされるのです。実は、今日の夕拝では詩編の第二編を読む予定でした。この詩編は主のご受洗の時に天から告げられた祝福のみ言葉でした(詩2:7)。主のご復活により、その贖罪のみ業により私たちが弟子たちと共に神の家族に招きいれられていることを示しています。


三、「家族という場所は、そこで人は無条件で他人の世話を受ける。理由や条件なしに、自分がただここにいるという、ただそういう理由だけで世話をしてもらった経験が大体の人にはある。こぼしたミルクを拭いてもらう、便で汚れた尻をふいてもらう。アゴや指や汚れた足を丹念に洗ってもらう。

 存在の世話を条件も留保もつけずにしてもらった経験が、人への信頼を失わないでいさせてくれている。」(鷲田清一「悲鳴をあげる身体」PHP 親書)

この家庭での存在の世話が、全世界につながる。この「存在の世話」の最たるものが「日々の食事」です。「日用の糧」です。一口一口スプーンで口もとに運ばれる。ほんの一口の糧が、繰り返し与えられ「あなたはどなたですか」とはもう尋ねない(21:12)。

 今日の聖餐式はできませんが、よみがえりの主が火を起こしていて、集う私たちを待っていて下さるのです。

ご復活の主ハレルヤ!


【主の祈り】


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