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『知識を超える愛』 2020年8月9日

【聖書箇所】 エフェソの信徒への手紙3章14−21節 【説教題】 『知識を超える愛』 【説教】 石丸泰樹牧師

一、「苦難を見て落胆しないでください(3:13)」に続いてあなたがたのために「父に祈ります」とパウロは言います。何を祈って下さるのか。父なる神様が「あなたがたが、愛に根ざし、愛にしっかりと立つ者として下さるように(17節)」です。私たちにとっても、エフェソの教会の人々にとっても、最も困離な課題をパウロは祈っています。しかも「膝まづいて」といいます。イスラエルの人々は立ったまま両手を広げ、掌を上に向け祈りました(マタイ6:5、マルコ11:25)。しかし主イエスは祈られる時は、ひざまづいて祈られましたので(ルカ22:41)弟子たちもひざまづいて祈るようになったようです。なにしろ「天上のもの、地上のもの、地下のものがすべて、イエスの御名にひざまづきますので(フィリヒ゜2:10,11)ましてや被造物である人間は自分を低くして悔改めと讃美をもって祈るようになったのです(言行録9:40.20:36.21:5)。しかし、これは形式の問題ではなく、主に仕える最高の僕の気持ちで祈るということです。主に対し自分を誇るのではなく、ましてや自分の願い事をかなえて下さいと要求するのでは全くなく、主の全き救いの業への心からの感謝と讃美をもって心の内にひざまづくのです。 二、カール・バルトは「祈りとは呼吸である」という素晴らしい説明をしています。現在のコロナ・ウィルス問題の克服に関連して、一般の呼吸法と心肺機能の強化について「呼吸で大切なことは、肺の中の空気を全部吐き出すことだ」という指導があります。肺の中の二酸化炭素の混じった空気を全部吐き出さないと、新鮮な酸素を十分に取り入れられないからです。特に素潜りで百メートル近く潜る選手は、何度か深呼吸をし、その度に腹の皮が背中につくほど、-例えるとガンジーが英国の植民地政策に反対し断食して抗議行動をしていた時の写真のように、肋骨が浮き出て数えられるほどに空気を吐きだし、肺に一杯酸素を吸い込んで潜水していきます- そのように私たちの罪の思いをいっさい排除して、全身にキリストに住んで頂くのです。神の満ちあふれる豊かさのすべてに与かれるように、主イエス・キリストの愛が、私たちの心一杯に住んで下さるようにとパウロは祈っていて下さるのです。そのように一人一人が主イエスの愛を信じ、愛に満ちたご生涯を学ぶ信仰者となり、キリストの体なる教会が頭なるキリストに生かされ、栄光に輝く主キリストの永遠のご計画の成就・完成の業に参画します。 三、主イエスの神の一人子としての最高の喜びは、暗く寂しい希望のない人間関係の中で毎日を送っている人々、又圧制者やイデオロギーに支配された社会の中で戦っている人々、重い病や、出口のない人間観にからまれ苦しんでいる社会の人々等々、全人類の最後の一人まで、神の一人子、主イエス・キリストによる完全な「人間としての救い」が与えられていることをキリストの「からだなる教会」がその建てられた所で証しし、伝えることです。又、すべての民がそのことを心から信じ理解し、父なる神に栄誉と最高の讃美とを捧げまつることなのです。  主よ、教会の伝道と証しの業を励まし導いて下さい。アーメン


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