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『パウロから愛をこめて』 2020年6月7日

【聖書箇所】 エフェソの信徒への手紙1章1-2節

【説教題『パウロから愛をこめて』

【説教】 石丸泰樹牧師


一、新共同訳聖書の巻末の地図N0.8,9に、現在のトルコのエーゲ海に面した港町エフェソの地名が書かれています。パウロはこのエフェソに二回足をはこんでいます。初めは短期間の滞在(言行録18:19-21, AD52年頃)、その後第三伝道旅行の時、2年3か月(言行録19:1-40 AD54-58)程滞在して伝道しました。

 エフェソはBC11世紀頃、ギリシャ人によって建設された河口にある港湾都市で、時代を経るに従ってオリエント、インド、やがて中国等々との通商路の集中する都市として繁栄しローマ帝国からは自治権を認められた大都市でした。女神アルテミス(豊穣と出産)の4メートルの巨大な像とそれを奉る大神殿と周辺の大歓楽街(言行録19:27,34)に群がる人々がパウロの宣教の相手でした。江戸時代以来繁栄してきた東京とよく似ています。

二、この手紙の第一行目は「パウロ、キリスト・イエスの使徒」という自己紹介で始まります。使徒とは主人の委託を受けて派遣されている者、それは神のご意思です、決定です、という意味です。「私の口から恵みの言葉が出されたならば・・決して取り消されない(イザヤ45:23)」「神は言われた。『光あれ』こうして光があった(創1:3)」当時、エルサレム神殿の大祭司は神の権威を代表する権威者でした。パウロがサウロといわれていた頃、主の弟子たちを逮捕、投獄する「権威」を大祭司の添書を得ることによって獲得し、暴虐の限りを尽くしました。しかし天地創造の父なる神の「真の大祭司はナザレのイエス(ヘブライ2:17)」と示され、サウロは使徒言行録9章によると、本当に一瞬にして「使徒」に任命されてしまったのです。

三、父なる神と主イエス・キリストからの恵みと平和が実現したことを、確実に正確に伝える任務です。恵みは「カリス」という言葉です。「ただキリスト・イエスによる贖いの業を通して、神の恵み(カリス)により無償で義とされるのです(ローマ3:24)」。パウロはエフェソの人々に一享楽と繁栄、金銭と権力、暴力と絶望の中でうめき、苦しみもがいている人々に、世界を支配している方、真実と愛と慈しみをもって嘘、偽りなく平和のみつばさをもって一人一人の心を、人生を、未来を包んで下さっている方がおられると宣言します、というのです。父なる神と主イエスが、恵みと平和を、未来永劫、生きとし生けるすべての命あるものに、命の創造者であるが故に、贈りたいと心から願い決意され手渡したいと熱望して下さっているのです。『人となり給うクリスマスの主、全人類の罪の贖いを十字架の貴い死によって成就され、ご復活とご昇天によって、救いを不動不変のものとして証明して下さった、この「恵みと平和の全福音」がこの手紙を読むすべての人の心に届きますように』—これがパウロの手紙の初めの挨拶なのです。

  アーメン、ハレルヤ。感謝!ただ感謝です!


【主の祈り】


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